Lactarius uvidus(ラクタリウス ウビダス)は、類似する種と品種の複合体の一部であり、明確に同定することは難しいと言われています。『Index Fungorum』では、本種はウズハツ L. violascens のシノニムになっています。
Lactarius montanus (Synonymy:Lactarius uvidus var. montanus) は北アメリカ西部のトビチャチチタケ(シノニム)といわれ、欧州や北アメリカの東部の種
Lactarius uvidus よりも丈夫な茎と乾燥した冠表面を特徴としています。両種とも傘表面は KOH で緑色に染まります。
夏〜秋 カラマツとダケカンバの混生林に発生。トビチャは表現の難しいこのキノコの色のことで鳶茶色と書くと思われる。
傘径は4〜8cm前後、L. uvidus は表面が湿ったとき、強い粘性があり、L. montanus は粘性がない、帯灰黄色〜灰紫色で環紋はほとんどない。
ヒダは黄白色で密。
柄はやや粘性があり(uvidus)黄白色。 中実のと中空。
一番の特徴はヒダや柄を傷つけると速やかに紫色に変色すること。
乳液は水様の白色で、ヒダや肉に接触した部分は紫色に変わりますが、ヒダや肉に接触しない部分の乳液は白いままで変色しません。強くはないが辛味がある。
胞子紋は薄黄色。
〔似たキノコ〕(傷つけると紫色に変色)
→ ウズハツ L. violascens は表面の渦巻き状の模様が特徴、なかには渦模様が不明瞭の個体もあります、柄にはアバタ模様がある。
→ ススケチチタケ L. luridus の乳液は数分後に淡紫色を帯びた灰色に変色します。
→ ウスキチチタケ L. aspideus の傘はくすんだ黄色〜淡い黄土色、白い乳液の周囲が紫色になる。
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