春に、草原や林内地上、笹薮などに単生あるいは少数が散生する。このキノコの柄は非常に脆くて弱い、一方、頭部はかなりしっかりしており相対的にかなり重い。そのため成菌の多くは斜めになって今にも倒れそうな状態となる。 毒は揮発性なので熱を加えて毒を抜けば可食といわれているが、有毒あるいは食毒不明な類似種があるので、利用にあたっては注意が必要で、食べないほうが無難です。 子実体は子実層のある頭部と柄からなる。 高さは5〜8pくらいです。老成してくると傘表面はシワ状になります。 頭部は釣鐘形、径 1.2〜2.5 cm.、高さも同程度、表面は栗褐色から黒褐色、殆んど平滑だが時にちりめん状の皺があり、また古くなると細かい網状にざらつくこともある。 上面全体が子実層になる。下面中央で柄に繋がり、縁は遊離して垂れ下がり柄と固着することは無い。 胞子は 28-34 x 15-19 μm ※ 桜山産のテンガイカブリの胞子の大きさは、支笏湖丸山産と比較してかなりスリム、内部の様子も少し違うようだ。桜山産の個体は別種なのかもしれない。 ・支笏湖丸山 20〜33×12〜17μm ・桜山産 20〜25× 9〜11μm 〔似たキノコ〕 → ズキンカブリ Verpa conica は本種とは異タイプ異名種。頭部が円錐形で柄が平滑、胞子は 19-24.5 x11-12μm と言われているがよく判らない。 ⇒ 同属のオオズキンカブリ の頭部は鐘状、網目状の縦しわがある。
頭部が円錐形のものをテンガイカブリの変種ズキンカブリVerpa digitaliformis Pers.:Fr. var.conica Imai とするが、今後分類学的検討が必要であると言われている。 ◇Pileus;Cap 1.5-3.5 cm tall, 2-3.5 cm broad ◇Stipe;Stipe 4-10 cm tall, 1-2.5 cm thick