アカイボカサタケ

Entoloma quadratum(Berk.&MA Curtis)E.
ハラタケ目_イッポンシメジ科_イッポンシメジ属

 
POISON 有毒

 Entoloma quadratum という学名の、種小名( quadratum は「四角、四角形の」いう意味)は、顕微鏡で四角く、立方体状に見える特徴的な胞子を指しているということです。

 本種は、胞子が立方体状に見えるのでとりあえずアカイボカサタケとしたが自信はない。
 夏〜秋、針葉樹の地上で湿った苔の土、腐植上に散在するが、広葉樹の下でも発生が見られます。毒。

 傘は径1〜3cm、鐘形(ベル形)〜円錐形で開かず、円錐形の尖った先端を持つ。
 表面は新鮮なときはべたつくが、粘性なく吸水性で湿時周辺に放射状の条線表出、全体に明るいサーモン・オレンジ〜鮮橙色〜橙色〜暗黄色。ひだも同色でやや疎、直生〜上生。
 柄は4〜10cm× 1.5〜3mm、上下同幅、円筒形、中空、ややねじれ、表面は条線があり壊れやすい、基部がやや肥大する。肉はもろく、表面と同色、特別な匂いや味は無い。

 胞子紋はピンク色、
 胞子の形状は、ゆがんだ立方体 8.5-12 x 8-12 μm


〔似たキノコ〕
 → ダイダイイボカサタケ(青木仮称) は本種より大型、中心に小さなペンシル状の突起があり、アンズ色、頂部は乾いてやや白っぽくなるのが特徴のようだがよく分からない?。 

 アカイボカサタケ_20090829_桜山
アカイボカサタケ 20120914 樽前登山道 アカイボカサタケ_20110921_厚平内林道
 
アカイボカサタケの 20090803 支笏湖   柄は繊維状でややねじれる
 
アカイボカサタケ 20090803 支笏湖   胞子、10.5〜12.5μm

アカイボカサタケ 20190818 丸山
 アカイボカサタケ 20190818 丸山    胞子、10.5〜12.5μm




アカイボカサタケの仲間@

Entoloma aff. salmoneum
ハラタケ目_イッポンシメジ科_イッポンシメジ属

POISON 有毒

 E.salmoneum はその頂部のペンシル状に伸びる先端の形から、北米ではサルモネウムユニコーン(一角獣・いっかくじゅうのキノコ)と呼ばれています。
 Entoloma salmoneum はアカイボカサタケ(E.quadratum )の異名とされていましたが、最近の『Index Fungorum』では別種の扱いになっています。

 近郊のアカイボカサタケの仲間は、鮮やかな橙色〜鮭肉色、くすんだ肌色、あるいは表面が繊維状、または放射状の条線がはっきりしているもの、胞子の形状がイッポンンシメジ科特有の多角形のものや、ひずんだ6面体、立方体に近いサイコロ状の形状など多岐に亘り同定は難しい。

 こちらの”アカイボカサタケの仲間” では傘頂点が円錐形の尖った先端を持つものや、ペンシル様の長い突起を持つもので、胞子の形状が立方体に近いサイコロ状の形状の個体を紹介しています。


〔似たキノコ〕
 → ダイダイウラベニタケの傘の中心部はへそ状に窪み、ヒダは 直生〜やや垂生。

アカイボカサタケの仲間_20180819 丸山
アカイボカサタケの仲間、20180819 丸山_ 胞子、10.5〜12.5μm




参考 ダイダイイボカサタケ