ニオイワチチタケ

Lactarius subzonarius Hongo
ベニタケ目_ベニタケ科_カラハツタケ属


 
unclear 食毒不明

 夏~秋に、ブナ科などからなる林内、もしくはこれらにアカマツやモミなどの針葉樹が混じった林内の地上に発生する。

 かさは直径1.5~5cm程度、幼時は半球形であるが次第に開いて、ほぼ平らあるいは浅い皿状となる。表面は湿った時には弱い粘性があるが乾きやすく、渇けば多少粉状をなし、肌色~淡い橙褐色を呈し、時に不明瞭な同心円状の環紋をあらわし、表皮は剥ぎとりにくい。

 きのこが乾いてくると、カレー粉のような強い香りを放つ。
 かさ・柄・ひだのいずれも、新鮮な時にはうっすらと白濁した水っぽい乳液を含むが、この乳液は空気に触れても変色せず、辛味もない。
 胞子紋はクリーム色。


〔似たキノコ〕
 → チョウジチチタケは、かさに明瞭な環紋を生じる点でニオイワチチタケと紛らわしいが、後者のような強い香気を欠いている。
 → ヤミイロタケはしばしば弱い辛味があり、甘い香りを有する点・かさの表面の環紋がニオイワチチタケに比べて不明瞭な点・主としてカバノキ属の樹下に発生する点で異なっている。
 → ニセヒメチチタケ は、 子実体の褐色系の色調やカレー粉のような香り、あるいは辛味を欠くことなどにおいて共通するが、やや小形であることや、かさの表面に同心円状の環紋をあらさわないことなどによって区別できる。