夏から秋にかけて、各種広葉樹の枯れ木や、腐木、またその周辺の地上から発生する。単生することが多いが、群生することもある。
有毒。激しい嘔吐と下痢などの胃腸障害を起こす。毒性分は不明。加熱しても毒成分は消失しないといわれる。
カサは径5〜15cm、灰色、または褐色、黒褐色など。放射状の繊維紋に覆われる。幼時は饅頭型。のちに中丘をともなった扁平、あるいは中央部の窪んだ扁平をへて漏斗型に開が、カサの窪みの中央に中丘がある場合もある。
ヒダは幅広くやや疎。子ヒダがあり上生から湾生し、白色。縁はやや鋸歯状、ときに黒く縁取られることがある。
柄は7×12cm×10〜20mm、白色または淡灰色で表面は繊維状、中実または中空、根もとに白色で糸状の束になった菌糸がつく。肉は白色。
※ ヒロヒダタケ属の基準種 M. platyphylla はヨーロッパ方面に分布する種であり、日本に分布する種は別種で M. clitocyboidea
(2008年) と命名され、これまで M. platyphylla の学名を適用した図鑑は誤適用とされた。
日本産菌類集覧 p534を見てみると、次のように記載されている。
【[注記] Petersen et. al.(2008)は、ヒロヒダタケ属の基準種 M. platyphylla はヨーロッパ、スカンジナビア地方およびロシア中・西部に分布する種であることを明らかにするとともに、これまで北米・東アジアでM. platyphylla に当てられていた種は M. platyphylla と異なること、その中に数種の新種が含まれることも明確にした。日本、中国東北部、ロシア沿海州地方に分布する種は新種 M. clitocyboidea と命名された。この論文の和文適用では和名を M. platyphylla に残しているが、日本における種の誤認が明らかなので、和名ヒロヒダタケは M. clitocyboidea に与えることにした。】
と書かれている。
〔似たキノコ〕
→ ヒロヒダタケモドキは2胞子性、柄は褐色の鱗片に覆われる。
→ ヨツミノヒロヒダタケモドキ(仮)は4胞子性、柄は表面平滑で汚白色〜淡灰褐色。
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