カラサケキツネノサカズキ(早期公開)

(シロキツネノサカズキ 近縁種)
Microstoma longipilum sp. nov. (Sarcoscyphaceae, Pezizales) from Japan
チャワンタケ目_ベニチャワンタケ科_シロキツネノサカズキ属


岡山のシロキツネノサカズキの仲間

 
 Inedible 食不適

 本種は、平成26年7月、岡山県からセンボンキツネノサカズキと比較鑑定のため持ち込まれた個体です。
 その後 2021年、早期公開で新規種名『カラサケキツネノサカズキ』に決定したようです。

 このキノコは広葉樹の倒木上に多数帯状に群生している状態で、北海道で普通に見られる小数の個体がパラパラと散生しているシロキツネノサカズキとは発生状態が異なりますが、その他の特徴、発生時季・胞子の形状・大きさなどはシロキツネノサカズキと変わりが無いようです。


〔似たキノコ〕
 → お椀状部分の縁に細くて白い毛のあるのがシロキツネノサカズキ、「星状に裂ける」のがシロキツネノサカズキモドキ と言われていますが???。
胞子の大きさが明らかに異なるので顕微鏡で観察することで区別は容易です。

 → センボンキツネノサカズキは9月上旬~10月中旬に発生し、成菌の椀の色はさんご色~桜色、白色の毛は柔らかい。

岡山のシロキツネノサカズキの仲間
カラサケキツネノサカズキ センボンキツネノサカズキ の根元は尖っている
センボンキツネノサカズキ 、平成 19_09_00、大きな油球は1~3個、
 
                 カラサケキツネノサカズキ_
 岡山県のシロキツネノサカズキを顕微鏡観察すると、油球は1~3個(希に4・5個)までいろいろありますが、油滴が胞子内に充満しその内側に油球があるため、胞子の表面に合焦すると油滴の壁が観察され、胞子の中心部に合焦すると大きな油球を見ることが出来ます。
 
胞子サイズは 23~35 × 11~14 μm程度でセンボンキツネノサカズキと同程度。
 秋から春先にかけて発生するシロキツネノサカズキモドキの胞子は本種より大きく、40~65 × 16~20μm程度。