ハナヤスリタケ

(別名;タマヤドリタケ,タマヤスリタケ)
Elaphocordyceps ophioglossoides (ハナヤスリタケ属)
Tolypocladium ophioglossoides (J.F. Gmel.) C.A. Quandt, Kepler & Spatafora
ニクザキン目 オフィオコルディセプス科 トリポクラジウム属

ハナヤスリタケ 20191006_動物園展示会持込(定山渓)

 
 Unclear 食毒不明

 冬虫夏草の仲間だが、昆虫からではなく地下生の子嚢菌ツチダンゴ類から林内地上に発生する。

 全長3〜15p、柄の地上部は円柱状で2〜8p、径5〜7o、頭部は根棒形、紡錘形、あるいは卵形、長さ0.5〜3p、径3〜10o、初め黄褐色のち暗オリーブ褐色となる。
 ツチダンゴから地中部は黄褐色で地上部は黒褐色となっている。
 頭部は表面が凸凹しているが、子のう殻は埋没するので頭部表面のいぼ粒は目立たない。
 さらに頭部は表面が最初は黒褐色だったものが1時間もすると表面のとがった部分は白い粉状になる。


〔よく似たきのこ〕
 → エゾハナヤスリタケは黒色のツチダンゴに生じ、柄は白色、円柱状、径約3mm、地下部は細根状に分岐して宿主と繋がる。
 → タンポタケモドキの頭部も根棒形だが、柄(根)は太い、本種の柄は細い根状。

頭部は ツチダンゴから切り離されてから数時間後に白い粉状
地中部の根は赤みを帯びる(ツチダンゴ部は採取漏れ)
子嚢袋から出てバラバラになった胞子、3.0-4.0 × 2.0-2.5 μm   長い子嚢袋に入っている胞子
 2次胞子はやや厚膜をもった角がわずかに丸みを帯びた長方形。
胞子は細長い糸状胞子(1次胞子)が格納されており、それが飛び出すと、やがて隔壁で分割されて小さな2次胞子に別れる。
子嚢殻